ネットのショールーム化がリアル店舗を破壊する?

ネットショップの便利性が、どんどん改善され、朝、ネットで買物手続きしたものが、その日に届き、しかもリアル店舗より価格も安いと言う至れり尽くせりのサービスの向上が、すごい速さで進んでいます。

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私も、amazonを中心に、本、CD、ペット用品など、ネットを利用して
購入しています。これは仕事もあって、店が開いている時間に買いに行けなくて、逆に家まで配達してくれるならという便利性もあって、よくamazon を利用しています。
またスマホの 「ショッピッ!」 というアプリで、リアル店頭で、商品のバーコードを読ませると、価格比較サイトで、一番価格の安いネットショップを紹介してくれるアプリもあります。リアル店舗で、実際の商品を確認するための展示場扱いしている人の姿も時折、見掛けたりします。

またamazonでは、6月末にメディア発表があったのですが、システムキッチンやトイレなどのリフォーム商品や、ハウスクリーニングサービスを扱う「リフォームストア」を開設されました。各アイテムごとに工事費込みのパッケージ価格で価格表示されるので、検索・購入しやすくするということで、至れり尽くせりのサービスの隙間をついて展開されてきます。利用検討しているお客様からすれば、交換・取り付けに必要な工事費を含んだパッケージで価格表示し、かつネットなので全国一律価格という安心感があります。

ネットなので、商品的な不安、工事の質の不安はあります。

逆に、リアル店舗は、どんな工事をするんだろう? というお客様の疑問に対して、リアル店舗であれば、お客様に接客しながら説明できるので、お客様も検討はしやすいと思います。

こんな時代でも、リアル店舗には、商品を買いに来られるお客様がいます。

価格だけの問題なら、コンビニ間の好不調の企業間格差は、出ていますが、価格があまり安くないコンビニが売れているのは、なぜ、なのでしょうか?当然、便利なことはあると思いますが、時間によっては、品枯れ状態をよく見ます。
また便利さを追求しているコンビニで、どうして企業間格差が発生するのでしょうか? コンビニの企業間格差の話しは、別の機会にさせていただきますが・・・要は、

リアル店舗の売上が低下しているのは、価格だけの問題じゃない。

では、何か?
自分のお店で商品を買っていただいているお客様の顔が見えていますか? ということです。
昔は、チェーンストア理論で、「大量仕入大量販売」 という大義名分みたいな話がありました。でも、企業間の価格競争、サービス競争が激しくなり、かつ小売りでもいろいろな業態が出てきました。
人口の低下もありますが、さらに競争が激しくなり、パイの取り合いが厳しくなった。でも、そこで価格競争に走ったお店は、どんどん利益を圧迫していったので、淘汰され、消えていってしまったと思います。

でも、こんな時代でも、きちんと売上を確保しているお店はあります。

どこが違うんでしょうか?
【ネット店舗】
1.  いつでもどこでもネットを利用できる環境さえあれば、買物ができる。
2. 価格が簡単に比較できるため、安く購入できる。
3. 品揃えの量が幅広く、購入した人の商品評価や口コミが見れる。

【リアル店舗】
1. 目の前で商品が見れるので、ショッピングが楽しめる。
2. 店員の接客を受けたりして、サービスが受けられる。
3. 商品を直接触れる。

など、列挙してみましたが、やはりネットで購入されるお客様は、リアル店舗で、ショールーミングして商品を実際、見て・触れて・楽しめるわけですから・・・

大きな違いは、従業員の接客ではないでしょうか?!

現在、リアル店舗では、経費削減ということを、大命題にして、お金をかけなければいけないところも、一律削除してしまっている部分があります。たとえば、どんどんセルフ化が推進されて、接客が必要な売場は、どんどん衰退していっています。
従業員が売場に鋳ないので、お客様も欲しい商品があるのに、どこにあるか? わからず、購入せず帰ってしまうことも発生しています。

そんなことをしているから、売上はどんどんネットに取られていってしまいます。お客様も従業員が売場にいないから、お店離れしていってしまいます。

「関係を深めること」

なのです。ネットでもそうですが、お客様は、いくら安くてもわからないお店では、お金を使って、商品を購入しません。
たとえば、amazon って看板があるから、メディアの情報やネットの口コミを信じて商品を購入しようということにつながります。

リアル店舗は、経費削減という大義名分で、人のコストもカットして、従業員を減らしてしまたので、現在は、お客様と関係作りがされていません。

だって、現在でも売上の好調な店は、別に安売りしなくても、お客様は、買物にきてくれて、売上もきちんと上がっているのです。
私は、リアル店舗が忘れているのは、

「お客様が見えているか?」

だけだと思います。それをきちんと思い出して、人を適正に配置すれば、ネット店舗に破壊されることはないと思います。

最後に、お客様との関係作りのポイントをまとめてみようと思います。

1. ターゲットを明確にすること。

リアル店舗は、ネットほど幅広く品揃えすることが出来ないので、対象ターゲットとなるお客様を明確にして、売場を作る必要があります。

2. お客様が買いたいと気づく仕掛け作り

当社の業務でも行っていますが、売場のPOPに語らせることだと思います。お客様は、価格の安売りだけのPOPの売場は、うんざりされていると思います。またイラストレーターで作成したデザインもされていない文字だけのPOPというのも見ないと思います。
やはりお客様の目線でアイキャッチできるPOPを売場につけて、お客様に買わなくっちゃ!! と気づいていただけるPOPで思いを伝える。

3. お客様との関係作りはアナログ媒体ばかりではダメ。

facebook、twitterなどのSNSを利用して、お店の商品、サービスを告知しましょう。たとえば、この商品を使えば、こんな便利なことがあるとか? この商品を食べれば、こんなおいしさがあるとか? 自分の言葉でお客様に伝える。そこには、画像を、必ず添付して下さい。

4. お店の従業員から商品やお店のサービス情報を流してもらいましょう。

私も若い頃に、リアル店舗で勤務していましたが、特に家電売場の時は、「誰々さんいる?」って、売場で従業員の方の名前を呼ばれる方がいました。やはりお客様って、出来ればなじみのお店で買いたいというのがあります。ですから、従業員の方の顔の見えるお店って、SNSを利用して情報を見たりするだけで、お客様も親近感が涌くものなのです。

5. お買い上げいただいたお客様には、お礼の手紙やメールを送りましょう。

その中に再来店を促すようなツールがあればいいですね。

という感じで、まずはわざわざ足を運んでいただけるお客様に喜んでいただけるような売場を作って、お客様との良好な関係作りを進めたいものです。

今日も長々とお話しにお付き合いいただき、ありがとうございました。

パワスポ社長_感謝