開高健が愛した老舗 / たこ梅本店

こんにちは~ ♬
売り切る仕掛人 匠(たくちゃん)です。

大好きな小説家・開高健がこよなく愛したお店が、事務所から徒歩15分のトコにあるなんて、知らなかった。
開高健は、もともとはサントリーの前身・寿屋のコピーライターとして活躍されていた方。

そう言えば、コピーライターから作家になられた方って
今読んでいる「萩原浩」さんもそうだし・・・
「山口瞳」「林真理子」「石田衣良」「中島らも」「原田宗典」
けっこうおられる。キャッチコピーの仕事をされているので、表現力が磨かれているんだろうか?  😆

でも開高健は、文章をひと目読んだだけで、取っつきにくい人には無理だろう。けっこう人によって好き嫌いがはっきりしている小説家じゃないだろうか?  😉

たこ梅本店で、おでんをつまみながら、
このお店を貸し切りで対談される程、愛された開高健の思いに馳せながら、おでんを楽しんじゃった。  😉

入口を入るとグツグツと煮えるおでん。鍋の中の具は、芸術だ。

開高健が『新しい天体』でたこ梅の鯨のおでんに触れている

クジラの舌も根や先端などの部分によって組織がそれぞれ異なるらしくて、シコシコしたの、クニャクニャしたの、やや固い噛みきりやすいの、とろとろになったの、香ばしいの、焦げ味のあるのなどと、串の一本一本がまことに小憎らしく複雑であって、ひときれひときれがたのしみである。
たこ梅のオススメセットのひとつ。S級S班(上から鯨のすじ、さえずり、コロ)2,754円(税込)
たこ梅と言えば、たこ甘露煮。これも開高健は、好きだったそうです。

ほのぼのとして落ち着く木製のカウンターの写真も撮りたかったけど、お客様がたくさんおられたので、ちょっと控えた  😆

入口の扉を開けて、カウンター席がある。
よくドラマのシーンで出てきそうなシチュエーションだ。
僕は、いきなり「S級S班」をお願いした。

うまっ~~!!

この鯨のおでんを食べた開高健の思いが、くじらのさえずりを紹介した文からわかるような気がした。
僕は、とろとろで香ばしいという表現がぴったり。
そしてなつかしいおふくろの味。

たこ梅は日本一古いおでん屋さんだ。
たこ梅は、1844年(弘化元年)から173年も続いているお店。

● たこ梅 公式ホームページ

ほんといろんな人が、たこ梅のおでんを楽しんできたんだろうなぁ~ 😆
多くの人が、この鯨のおでんを楽しんできたんだ。
そんな人と同じ味を楽しんだと思うと満悦感にひたりたくなる。

たこ梅本店のある大阪の道頓堀は、最も変化の激しいエリアだ。
道頓堀を歩いていると・・・

あれ・・・?

って思うコトが多い。
この間までこのお店は焼肉屋だったのに、ラーメン屋になっていたり。道頓堀と言えば、昔は食い倒れの街で、飲食店が立ち並んでいた。今は飲食街と言うより、海外からのインバウンド客を狙ったドラッグ店ばかりが目立つ街に変貌している。

そんなビルが立ち並ぶエリアに、高いビルにはさまれるようにして、お店がある。この状態を見て、昔の姿を保ってくれてホッとする気持ちともったいないって気持ちが交錯する。

道頓堀とか? 新世界とか?
京都と同じ景観保護地区してほしいなぁ~  😉
このたたずまいからも老舗のこだわりを感じる。

子芋、厚揚げ、野菜袋も味が染み込んで、トロトロ。お酒も進みます。

170年と言うとすごい長い歴史がある。
その間に、関東煮(おでん)一筋でこの地で届けてきたというコトは、スゴイとしか言えない。

普通なら大きくするために、他の料理を取り入れて、育てていくコトもあるだろうに・・・
おでんと決めて届け続けるって、これだけ環境の変わるエリアの道頓堀でメインメニューを崩さず続けるのは、素晴らしい~♬

老舗には、お届けするモノにブレがない。
それは歴史の積み重ねとお客様の支持だろう。

変わらないと時代についていけないと言われる時代に
こだわって、その時々に応じたエッセンスを少しづつ織り込みながら170年も続いている。
たこ梅でおでんを食べながら・・・

「変わるコトが当たり前の時代に変わらなくていい」
もっと大切なものがあるー!!

ってことを学んだように思う。