最近、打ち合わせなどをしていて、イラスト料や印刷費は請求しやすいけど、科目がデザイン費となったとたん、請求しにくい環境にあるなぁ? と感じることがあります。
デザインって、人により受ける価値観は異なるもので、ひとつのデザインをとらえた時に 「これいいじゃん」 という方もいれば、「これはちょっとなぁ?」 という方がおられることが、あります。
有名なデザイナーはステータスがあるので、ブランドで売上につながりますが、企業でデザインを作成している人は、企業内でも虐げられて、企業外でも虐げられて、頑張って仕事をしている割に、「合わないなぁ?」 と思っていることが多いのではないだろうか?
今日は、そんなことを考えていきたいと思います。
デザインって、まず依頼した人、内容を聞いてこられたクライアント先の営業、そしてつながれたデザイナーと 仕上げてほしいデザインに対する思いが異なるから、なかなかうまく結びつかないのかな? って思うことがよくあります。どうしてそうなるか? というと 「感性」 だからです。
大元のクライアント先の担当者も依頼した時の思いと、実際、デザインをお持ちした時の思いが、発展するのか? トーンダウンするのか? 異なることが多々あります。それって、デザイナーは、良かれと思ってデザインを組んでいるのに 簡単に 「こんなデザイン依頼してない」 となっちゃう。 驚いちゃいます。
たとえば、今は時効になっているのでいいと思いますが 「Tシャツフェア」 の売場の演出ツールのデザインの作成をお聞きしたことがありました。
内容を聞き取って、後日、キービジュアル案を作成してお持ちして、ちょっとイメージが違うな! ということで、修正に修正を重ねて、修正回数が33デザイン!! これって、打ち合わせ室に並べるデザインが毎回増える・・・ あーでもない? こーでもない!! と言われながら・・・
「もう同じようなデザインばかり、何案並べるのですか?」 って、私も切れ口調でお話ししたことがあります。
そしたら・・・
「どれがいい?」と言われたので、店頭での使用状況が浮かぶように話しをしながら、2、3案ピックアップして話したら・・・
「これでいいや!!」 ということで、決まったのですが、その担当者は、社内の目ばかり気にして決められない。間の代理店の営業の方がどう思っていたか? わかりませんが、この作業に対する修正費は請求させていただかないと・・・ダメだろうと今もって思っていることです。
けっきょく、修正デザインには、支払いがなく、いつもの金額で請求になったのですが、こんなことを考えると全然合わないし、店頭の状態やイベントや商品が売れることを想定してデザイナーは考えているのに、大元のクライアント様の担当者ががイメージ出来ていなければ、どうしようもない。
この例のように、急な修正やクライアント様の営業の聞き取り不足で何度も修正を行うのはつきもの、逆にその方たちの 能力を補足して、デザイナーは形にしているのに、どうして単価はいっしょなんだ と感じます。
「絵を描くのがデザイナー」 だと思っているのが問題の種 です。
だから価値が認められないのかな? と思ったりもします。
私は、今や デザイナーの活躍する領域は、絵描きではなく、もっと大きな領域になっていると思います。
なぜか? と言えば、デザイナーって・・・
「言葉や概念を形にできる大きな強みをもっている」
からです。そのためには、デザイナーにもっと勉強をしなきゃね!! などの葉っぱをかけています。 当然、デザイナーからは 勉強、勉強って言われるのですが、何を勉強したらいいんですか? と言われることがわからないとよく言われます。
やはり絵描きの仕事を卒業したければ、周囲のまず自分が興味のあることから、デザインに変換していく想像力が必要なんじゃないか? と思うのです。以前、お話ししたように 「引き出し」 の多さですね。
私が思うこの会社のデザイナーは、店頭ツールの絵を描いているだけではなく (これがデザイナーのステータスだと思っていたら申し訳ありません)
デザイナー = ブランドコンセプター
なのです。会社のコンセプトから 「このサービスやデザインを、どうように利用者が使ってくれて、どのような感動が与えられるのか?」 ちょっとしたUI(User Interface) 的なことまで出来るのが、デザイナーだ と思うのです。私の会社のメンバーもいままで数々の場数を踏んだ経験があるので、絵描きから発展してほしいというのが、私の希望でもあり 「本人のブランド価値を上げる」 ことだと思います。
ブランド価値を上げれば、新たな世界が広がると思います。
今日も長々とデザイナーの評価の低さについて、お付き合いただきありがとうございました。
また後日、つづきを記したいと思います。