「モノが売れなくなった。」
「モノが欲しくなくなった。」
「モノは、もういらない。」 と言われるようになってから・・・久しく時間が経ちました。 家の中は、モノであふれかえっているのが現状ではないでしょうか?
家電製品などは、機能が便利な商品が発売されれば、買い替え需要で売れてました。でもお客さまは、景気の悪化とともに、まだ使えるから我慢しようという生活スタイルに変わってきました。
家電製品などは、春バージョン、秋バージョンと機能を追加しては、新製品を発売してきました。特にモデルチェンジが、短期間だったパソコンなどは、今思えば、春・夏・秋・冬と次々と新バージョンを発売しては、お客さまの購買意識をくすぐってきました。
その間、機能は訴求されて、どんどん進化してきました。
逆にデザインは、どうだったか? と思えば、たとえば電子レンジを考えてみれば、どこも同じ白い箱型、炊飯ジャーもどこも似たり寄ったりの形状でした。
そんな中、お客さまは、自分なりの「心地のよい商品」「心地のよい場」を求め始め、「個」を重視し始めました。
日本の企業では、心地よいデザインの商品が提供されていなかったので、特に顕著だったのが、ダイソンの掃除機や扇風機が 、日本の製品に比べて値段が高いのに、たいへんよく売れました。
値段は関係なく、よいデザインであれば、売れるのです。
テレビで話題の家電商品が紹介される時には、必ずダイソンが紹介されていまいした。掃除機もデザインはかわいかったですし、扇風機も、羽がなく、日本の扇風機などは、羽根つきなので、初めて見た時は、エッというデザインでした。
やはり羽のない扇風機のデザインは、画期的でしたし、ダイソンは、デザインにお金を掛けて、企業のブランディングを進めていました。
そんな企業を探した時、日本ではユニクロなのではないか?と思います。現在では、錦織圭選手の活躍もあると思いますが・・・企業ブランディングをしっかり保っておられます。
ユニクロの場合、「商品のデザイン」「お店のデザイン」「企業ロゴデザイン」「コマーシャルデザイン」 までブランドイメージを統一して行っている企業のひとつ じゃないか? と思います。
経営者の柳井さんも「デザインが大切だ」ということを、知り抜いている方なので、企業のすべてをトータルデザインのフレームから考えてコントロールされているので、売上が悪いといわれる時期もありましたが、きちんと売上を立て直して、騎乗してきます。
やはりデザインって、当社のデザイナーにも話すことがあるのですが、制作したデザインを自ら、そのデザインを見ている人に デザインのコンセプト、デザインに対する思い、そのデザインを基にしたストーリーの「話し」 ができるか?どうかだと思います。
デザインの「絵」そのものに、物語を話しをさせる。
そんなことを 「絵」 にする。 「絵」 = 「言葉」 なのかもしれません。
時々、デザイナーに 「どうしてこのデザインを作ったの?」 「このデザインの色の意味は?」 とか?
デザインの勉強などしたこともない私が質問することがあります。
「なぜ?」
やはり デザインを作った以上、自分が作ったデザインに対して、説明ができなければ、私は、ダメだ と思っています。
クライアント様に指示されて、自分の思いを込めて作ったデザインを、説明もせず、安易に変えるような仕事だけはしてほしくないなぁ?
なぜなら・・・デザインひとつ考えるにも、あれやこれや考えて思いを込めて作っているのですから、そんな思いを言葉にして説明して、よりよいデザインのモノを提案していきたいものです。
「仕事に、こだわりを持つことは重要だ」 と思います。
安易にクライアント様に言われて、修正するのは、楽です。でも、自分が作りたかったデザインへの思いもあると思います。
なければ、今後、人工知能も進化する中、ロボットが作ったら、もっといいデザインのモノができる時代になるかもしれません。
そんな味わいのない時代にチャレンジしていきたいものです。
デザインへのこだわりが、この会社の「顔」をデザインしていることにつながっていく ように、私は、思います。
今日も長々と私の話しにお付き合いいただきありがとうございました。