こんにちは・・・ アンディーンノア社長 伊藤です。
「時間から成果へ」働き方どう変わる?
▼今夜も残業ですか?
・「うちの会社は残業なしでは回らないよ」
・「クライアント先から急いで上げてくれって言われているからしょうがない」など答えが返ってきます。
ただ今問われているのは、長時間残業しているけど、時間の割に生産性が低く、成果が上がっていないと言う現実があります。経営者サイドから考えれば、当然、長時間働いているけど成果が合わない。だから、みなし残業などの制度を入れて、社員は頑張っているのに誤魔化して残業代の未払いなどが発生しています。
私も、会社にお世話になっている時は、深夜遅くまで頑張っても、みなし残業制や年棒契約なので、残業代は支払いませんと言われ、頑張っても一緒か?と思いながら、でも目の前の仕事は処理していかないと売上が取れないと言う経験してきました。
そんな経験がイヤだったので、私の会社では、残業代は、対価としてきちんとお支払しています。でもこなしている仕事内容と対価が合っているか?と言うと合っていません。
部門によっては、大幅な赤字です。
でもその部門は、いつかは黒字化すると期待して、業務遂行しています。会社全体でもやり方を工夫して変えていくことを考えています。
▼残業代という概念がないような時間で働く、上がった成果に対して評価していくことが大切 (安倍首相)
来週から成長戦略の一環として「時間から成果へ」と言うことで、新たな労働時間制創設の法整備を計画されていくようです。
当初は、「年収1000万円以上の労働者を対象」としていたのですが、労働者全体から見ても少数なので、さらに対象を拡大解釈しようとしています。これって、残業代を削りたい企業のための制度に見えてしまいます。
またOECD加盟国(経済協力開発機構)34ヵ国の中で、日本の労働生産性を見た時、20位になるそうです。国際的にも日本の労働時間の長さは、時々話題になっていますが、「時間が長い割に、生産性が上がっていない」 国際競争力が弱いと言う現実があります。
そこで労働生産性を上げて、生産性を上げるために、労働者個人に時間管理を任せて、経営者は、働いた時間ではなく、与えられた職責を全うしたかどうかに対する成果に対して、対価を支払っていく裁量労働制を一部の職責(研究者、記者、クリエイターなど)に導入していこうと言う動きがあります。
反面、一部裁量労働制を導入している企業では、個人で業務遂行していくので、課せられたノルマによる定額での長時間労働の増加、そして精神的なプレッシャーにより病気なっていく方など、日々報道されています。
▼これって? どうなの?
経営者としては、時間管理は、社員がするので、会社利益も計画通り計上できるわけですから、導入したいように、こころは動きます。ただメンバーの健康まで害してまで、導入しようとは思いません。このような制度を導入する前に、逆に、メンバーの創意工夫に期待したいです。
番組で取り上げられていた「医健エンジニアリング」では、残業をゼロにしても、これまで以上の生産性が上げられる仕組み作りをして、上がってきた利益はきちんと従業員に還元していくと言う形で取り組む実例を紹介されていました。
残業をゼロにすることに対して、社内では「時間外を削減するんだったら、受注が減ってもいいんですか?」と言う反発があり、時間削減をやっていく事はたいへんな事と社長は感じられたそうです。そこで社員と定期的に話し合い改善しないといけないポイントを、共通認識として持つようにしたようです。
話し合いの中で、業務を分担してやっていく「分業」を進めるようにしたら、大幅に時間改善したようです。業務自体は変わっていないが、業務の取り組み方が大幅に変わって、社員の考え方も変わってきたそうです。 結果、チーム業績↑ 個人給料↑ になった。社長は、「働きがいを社員のみなさんと求められるそういった環境整備が必要。話し合いを続けながら、改善に改善を重ねて、これを継続させたい」と言っておられました。
▼ふと思った事・・・
私の会社に置き換えて考えさせられたのは
- デザインや販促企画などの業務なので、この仕事は、この人でないとダメとクライアント先から言われることがあります。
- 仕事をお聞きしてからタイトなスケジュールで、業務遂行する多いが、受注したら、誰かがやらなければならない。
と言うことがあります。
番組でもお話しされていたように、「役割分担」と「仕事の平準化」をしっかり進めていきたいと考えます。
特に、現在でもそうだが、依頼側は、利益を確保したいもの、仕事をつないだ先が、どれだけ時間が掛かろうが、何人でしようが、「仕上げてくれたらいい」と言う考えなので・・・
もし成長戦略で、安倍首相が成果主義を考えるなら、一握りの大手企業の生産性が上がるような法制化ではなく、国内に大多数ある一番底辺の企業の成果が確保されるように考えていただければ、日本全体の生産性も上がると想定します。それを実現する仕組み作りが必要である。
今日も長々とお話しにお付き合いいただきありがとうございました。