こんにちは・・・ アンディーンノア社長 伊藤です。
7月に入り、プロ野球のオールスターの話題を聞く季節になりました。
プロ野球と言えば、昔はゴールデンタイムは、プロ野球が放送されて、楽しみにしていたアニメが見れない事がありました。
最近は、ほとんど地上波で放送されない状態で、逆にBSなどで放送される事が多くなっています。このような時代背景の中で、最近、「野球女子」なる言葉をよく耳にするようになりました。
今、女性ファンがプロ野球を動かし始めています
今年のオールスターゲームのファン投票で、何と広島カープの選手が、8人も選ばれる異例の結果になりました。後押ししたのは、スタンド真っ赤に染めている野球女子と言われています。
昔、野球場は、私もそのひとりですが、メガホンを持って、ビール片手に男性が声を嗄らして楽しむ場所でした。
それが今や、華やかなチームファッションに身を包んで、選手を応援する「野球女子」が中心になろうとしています。昔、男性がそうだったように、お気に入りのチームに一喜一憂!!しています。
▼野球女子の勢いに、経営戦略変革
球団経営を考えた時に、まず球場に足を運んでいただいて楽しんでいただく事が必須条件です。それにより売上を確保する事。そのためにファン層の確保、開拓が必要になってきます。
DeNAベイスターズでは、昨年より女性向けのネイルケアセット、スイーツの食べ放題などの特典が付いた特別チケットを発売。これまでの野球ビジネスを女性目線で変えようとしています。
地上波の放送が減り、観客動員数が伸び悩み、スポンサー離れが囁かれる中で、現在、「野球女子」と言われる女性のファンの取り込みは、重要課題です。女性目線の企画や商品開発で、女性ファンを獲得・拡大しようとしています。
そこにマーケティングが発生します。お客様に満足してもらって、さらに需要を拡大させる。そのために女性ファン用のマーケティングパッケージが発生します。球場に足を運んでもらって、選手を応援してもらえると選手のモチベーションも上がります。当然、モチベーションが上がれば、チームも勢いに乗るので、上位争いします。そうすればさらに観客は、増えます。
▼「野球女子」私が球場に行く理由
球場に足を運ぶ女性が、ここ数年でどれだけ増えたのか?データはないのですが、この五年間で、ファンクラブにおける女性の割合を示したデ-タがあります。12球団の内、10球団が増えているそうです。
ちなみに・・・
- 楽天ゴールデンイーグルス45%
- 西武ライオンズ 28%
- ロッテマリーンズ 30%
- ソフトバンクホークス 45%
- オリックス・バッファローズ 30%
- 日本ハムファイターズ 44%
- 読売ジャイアンツ 32%
- 広島東洋カープ 42%
- DeNAベイスターズ 29%
- ヤクルトスワローズ 非公開
40%を超える球団が、4球団も存在します。昔であれば、ビール片手に男性が応援する姿が、ドラマなどでもよく使われましたが、今では、女性が友達と連れ添って、野球を観戦することがごく当たり前になってきています。
球場の雰囲気が変わり、球団の経営戦略を変え、かつオールスターのファン投票のように大きな影響をもたらすようになった女性たち、男子中心であったプロ野球観戦に変化をもたらそうとしています。
放送で話されていたのは野球女子の楽しみ方は、人それぞれですが、共通しているのは、
- 試合の勝ち負け
- 選手の成績 にだけにとらわれない楽しみ方です。
ある野球女子は・・・
「野球の応援をしていくうちに自分がどんどん変わっていって、新しい自分を見つけたというか?すごい明るい自分になっていきました」と、球場で、自分の居場所を見つけられたそうです。また元巨人から広島カープに移籍した一岡投手から、「あきらめない」というメッセージを受け、就職活動に頑張りたいという女性もおられるようです。
私も巨人の王選手、長嶋選手、金田選手と才能ある選手が、土にまみれ努力して、お客様に楽しんでもらおうと少しでも能力を高めようと練習で頑張る姿を目のあたりにし、共感して、我慢して努力する事を覚えてきました。
たとえば資金力が豊富でない広島東洋カープは、若手選手にチャンスを積極的に与え、選手を育てる方針を大切にしてきた球団です。「カープ女子」といわれるファンは、そんな選手の「成長ストーリー」に共感し、エールを送っているそうです。
カープ女子は、「華やかなきらきらしている感じより、地道にこつこつやっている人が、やっと試合に出られるようになって自分の力を発揮してくれる」姿に感動し共感を呼び、その感動をもっと友達に伝えたい、広めたいという気持ちが、女性の友達、仲間を連れてくるので増加しているのかもしれません。その中には、女性なりの楽しみ方があるようです。
男性との観戦の違いもあって、男性の場合、結果がつくと途中で帰る方がいるのですが、女性の場合は試合展開がどうであろうと最後まで応援して、楽しんでいることがあるようです。
男性ファンは、調子がいい時は、「いいね、いいね」と応援しているが、まずいプレーをすると急に批評家になってしまう。
▼常に一体化している
- 従来のように単に勝ち負けや強い選手だから、ファンであるということではなく、「ストーリー」に感動し、共感している。
- 自分と選手の間が近くなっており、自己投影型で一体となって応援する。
- 生活のものさしと違ったものさしが、野球観戦にはある。
野球女子が増える事によって、成長戦略ではないが、女性がどんどん参加する事によって今までと違う世界が形成される。
そのために単なる勝ち負けではなく、ストーリーが必要になってくる。