ハーマン・メルヴィルの「白鯨」は、読んだことがないのですが、この映画は・・・
●人間と自然の関わり合い
●究極の状況に置かれた人間心理
などのことを考えさせられる映画でした。思っていたより、内容の重い映画でした。
最近、自然の驚異が話題に上げられる中、いろいろなことを、改めて考えさせられた映画でした。
予告編とは、別の特別映像が、You Tube にアップされていたので、挿入させていただきました。かなりポイントが押さえられて、まとめられています。
この映画を見終って、思ったのは・・・
「テーマが重かった!!」
というのが実感でした。
この映画を見る前に、ハーマン・メルヴィルの「白鯨」の知識もなく、見る前は、白鯨と人間の壮絶なバトルを描いた映画だと思っていました。
でも見進むと、これはバトル映画ではなく・・・
●大自然の前で、人間はちっぽけな存在であること。
●究極の状況における人間の姿
●愛
ということを、テーマにしているのかな?
と感じるようになりました。
小船の何倍もある。白鯨。
自分が小船に乗っていたら、ビビッていただろうな!!
初めて知ったのは、昔、鯨油が貴重なものであったことです。
鯨油を求めて、捕鯨をしていた。映画では、一頭捕獲し、油を確保できるが、それ以上の確保ができなかった。
途中、鯨がいっぱいいるパラダイスのような海があることを、片腕がない男から聞かされる。その男の話に期待して、船の進路をその海にとって再出港。ただその男は、その群れにいっしょにいる白鯨によって、片腕を失くした恐怖を語るも、欲に目のくらんでしまった男たちは、その海を目指す。
そして鯨がいっぱいいる海で、捕鯨を開始し始めた。
その中に、白鯨の姿が描き出される。
きっとこの白鯨が、この鯨たちを守っていたのだろう。
仲間のくじらにモリが刺さり、血が流れる中、白鯨は、この鯨を守るように、捕鯨をしている小船に当たっていくというようなストーリーで・・・
エセックス号に、白鯨が体当り、破壊されてしまう。
そしてエセックス号に体当りし、エセックス号を破壊してしまう。
ここまでは、ジョーズの鯨版のようなイメージなのかな?
と思いながら、ハラハラドキドキして見ていました。
ここで巨大な白鯨の前に、難無く簡単に破壊される人間が作り上げた船のもろさを感じさせられる。
自然の前での、人間の力のなさ!!
そして鯨の群れの中で、守り神のような白鯨の姿
動物同志にもコミュニケーション、意思疎通、愛はある!!
群れを守る親分のような感じの白鯨を描き、動物内でも気持ちが通じているんだという描きかた
そして圧巻だったのは、エセックス号を破壊した後、小船にいる船員たちの姿を、まるでにらむかのように描かれた眼でした。
ここ数年、自然の猛威がニュースで伝えられていますが、自然に対しては、無力なんだなぁ? って、ニュースでも感じますが、この映画でも、もし自分が船員だとしたらと思うとゾッとします。
映画って、そんな体験を客観的にさせてくれるのでいいものです。
エセックス号を失ってから、小船での90日間にわたる漂流!!
海って・・・
小船で漂流すると、何も見えないので、不安ですよね。
陸地も見えない、そしてこの映画描かれて想定している1800年代という年代。今のように多くの船が航行しているわけでもないので、小船にのってもすれ違うこともない。
そこから先のストーリーがけっこう重いものになってきます。
「生きる!!」
小船で漂流するという中で、水も食料も底をついている究極の状況の中で、生きるために、亡くなった人の肉まで食べる。
いつがゴールか? わからない中、そんなこともあるなぁ・・・?!
とも思いましたが、「生」 への執着をここまで描いた映画はないだろうなぁ? と感じました。
そして90日目を超えて、航行する船にひろってもらい、出港前に、妻に「必ず帰るから・・・」 と約束した町に帰り、生まれてよちよち歩きの娘に会う。
「帰ってきて、よかった!!」
感が描かれていました。
そんな映画なので、内容は重かったのですが・・・
映画を通して、客観的な体感が出来、振り返ってみるといい映画だなぁ!! と思います。