おもしろくて、一気に読んじゃった・・・!! | レッドゾーン 真山 仁

1月に大阪産業創造館で、真山仁さんの

「ハゲタカ」の著者 真山 仁 氏が語る交渉術~日本人が世界市場で弱いワケ~

というセミナーを受講させていただきました。
ハゲタカは、Ⅰ、Ⅱとも読んでいたのですが、それ以降は読んでいなかったので、セミナーで話されていた本を久々に読んでみようかな?
と思いたったのですが、思いたったのが吉日、本の世界に巻き込まれてしまって、一気に 「レッドゾーン」 と 「ハゲタカ外伝スパイラル を読んでしまいました。

真山02

この「レッドゾーン」と「スパイラル」は、セミナーの中で、話しがリンクしているようなお話しをされていたので、楽しみにしていました。

セミナーを受講した頃は、読んでいる本があったので、その本を読んでから久々に、ハゲタカシリーズの続きでも読んでみようと思い、購入しました。セミナーの中で

「交渉カードを相手に応じてどう出すか?」

まさにレッドゾーンは、そんな話しで、中国vsアメリカvs日本 という環境設定の中、それぞれがどのようにカードを出していくか? 話しが進んでいきます。
セミナーでも言われていたのですが、これだけ書こうとすれば、すごい取材力だなぁ-!! って感じました。

テーマは、中国の国家ファンドを題材にされていたのですが、こんな難しい話しも、頑張って取材されたこともあると思うのですが、私のようなファンドもあまり知らない読者でも、理解して、ハラハラドキドキする感じが伝わるのは、ありがたいことだと感じました。

小説ですから、当然、架空のことです。

でも、こんなことが起こったら、こんなことが起こる可能性がある。

ということが、サムライ・キャピタル鷲津政彦というキャラクターを使って、戦略面、心理面などなどわかりやすく描かれている。

普通、こんな金融系の話しって、けっこう難しい言葉が多くて、理解に悩んで頓挫したこともあったのですが、ハゲタカⅠ、Ⅱ を読んでも実にわかりやすかったです。

真山さんも、あとがきの池上さんとの対談で語られていたのですが・・・

「どうせ捨てる金なら上手に使えばいい」

という言葉・・・ 中国って、したたかな国なんだなぁ? って感じました。
中国の方すべてがこんな考えということはないでしょうが、日本人でそんな発想ができる人って、ごく少数なんじゃないかな?

以前のハゲタカを読めば、ターンアラウンド・マネージャーの芝野健夫の方がイメージがよかったのですが、このスパイラルを読むと・・・

「日本を買い叩く」

といいながら、鷲津の 「日本という国は、どうしようもない、だから買い叩いてやるんだ」 という思い、鷲津の裏返せば 愛国心の塊 のような言葉・・・ 読み進むうちにすてきなホワイトナイトだと感じました。

下巻を読み進みながら、後半部分から、アメリカが出てくるのですが、

● 日本人って、ルールを守って、その中で頑張る。
● アメリカも中国も、ルールを変えてしまう。作ってしまう。

それを日本国内的には、勝手な解釈、勝手にルールを作りやがってとなる のですが、世界的には、後者の動きを取っていかないと、国外では戦っていけないのではないか?

これが交渉カードをどう出すか?

ということではないか? 今回、三カ国にもまれながら、進んでいく話し

Greed is good!!

なのか? と思います。

スパイラルは、このレッドゾーンで描かれている同時期の、ターンアラウンド・マネージャーの芝野の国内企業の 「マジテック」 の話しで、急に職人肌の社長が亡くなられて、残されたものの動きがまとめられていて、この本を合わせて読むとなかなかスケールの大きな世界の話しと国内の企業の話しでおもしろかったです。

セミナーで、この2冊の本についてお話しを聞いていたので、少しは予備知識があったのですが、おもしろく、参考になった本でした。