マネー・ショートって、経済音痴にとっては、難しい映画だなぁ? って、出だしは、感じながら見ていました。
それは訳のわからない専門用語が、けっこう会話の中で出てくるからです。
たとえば、「債務担保証券(CDO)」「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」ってな言葉・・・
そんな言葉が、けっこう映画の中でも散りばめられているのですが、映画の中で、解説シーンも出てくるので、わかる人には、わかるんだろうなぁーー?!
私は、世界に未曾有の経済危機をもたらした2008年のリーマンショックの見破ったアウトローたちの活躍を期待して見に行ったのですが、出だしは難しかったけど、見進めていくうちに、どんどん話の中に引き込まれていきました。
ブラッド・ピットが、強力なコネクションを持つ元銀行家を演じて、実に渋かったです。
この映画は、2008年に世界的に経済に大きなダメージを与えたリーマンショック。この金融破綻が起こることをいち早く見抜いた4人のアウトローが、活躍するわくわくスリリングな映画でした。
メタル好きの金融トレーダー、道徳心の強いヘッジファンド・マネージャー、観察眼の鋭い若い銀行家、新米投資家コンビを助ける元銀行家。
2005年、このまま好景気が続かないことを察知したアウトローは、誰も見向きもしない金融取引に注目し、当然、好景気に酔っている連中からは嘲笑われながら、信じる道を選択し、何を言われようとも、自分の考えを貫き通し、ウォール街を出し抜いた4人のアウトローたちは、すごいなぁ? と感じました。
この映画は、実話に基づいているようで、すごい人がいたものだと感心しました。
ライアン・コズリング演ずる若き銀行家・周囲から何を言われても、考えを貫き通した。
リーマンショックって、初めはアメリカで起こったことだからと軽い気持ちでいたのですが、当時のことを思い出すと、次々とお金を持っている大企業が突然、消えていく。
当然、日本の企業だけでなく、世界中の企業に影響のあった衝撃的な出来事でした。
日本でも不動産バブルがはじけて、たいへんなことになった時代があったのですが、アメリカの企業というとやはり世界的に影響があるんだなぁ? と実感しました。
前半は、金融言葉の説明はあるのですが、CDS、CDOはともかく、デフォルト(債務不履行)、デリバティブ取引(金融派生商品)とか? いったい何?
映画の前半は、リーマンショックの背景を勉強しながら、この金融用語を勉強していたって感じです。
後半になって、2005年好景気に沸くアメリカで、住宅バブルに隠された危険な「時限爆弾」に気づいた4人が仕掛ける姿が、実にスリリングで、映画に引き込まれていった。
これを自分に置き換えると、メディアで、「好景気だ!!好景気だ!!まだまだ景気は、上り天井だ」 と言われれば、やはりそんなメディアの報道を信じて、踊ってしまったのではないか?
と思います。
ただ、リーマンショックは知っているので、いつ時限爆弾が、パンドラの箱が開くように、破裂するのか? そんな楽しみもありました。
メディア=常識 というように、メディアが、作ったフレームの中で、動く社会。リーマンショックで、打ちひしがれる周囲の人を見ながら、そんな中で、喜ぶ人間がいるって、ちょっと異質感を抱きました。
でも、先日の 「ニューヨーク眺めのいい部屋売ります」 の映画も、キーは、「ニュースが作った世界」 でした。
ニュースが、世間の常識を形作ってしまう。
やはり1点から社会を見るのではなく、角度を変えて、見る必要があると感じました。
物事は、偏った考えにならないように、視点を変えて見る必要がある。
ということでしょう。
また常識として、固定観念で、見ないことも必要かな? メディアに作られた常識もあるんだー!!
ということでいい勉強になりました。
映画は、日ごろ、できない経験ができるので、楽しいものです。