コンビニのパンコーナーって、どうしてこんなに品薄なの?

こんにちは~ ♬
売り切る仕掛人 匠(たくちゃん)です。

今日は、私も毎日利用しているコンビニエンスストアについて、感じていることをお話していきたいと思います。

欠品・品薄の状態って、なぜ多いの?

コンビニエンスストア大手4社の2014年3~5月の第一四半期の決算が発表されていました。セブン-イレブン・ジャパンが、既存店売上昨年比3.6%増、営業利益は12.1%増。またローソンも既存店売上(単体)昨対0.7%、連結営業利益は17.6%増と営業増益となりました。反面、3位のファミリーマート既存店売上昨対0.6%減、連結営業利益は11.3%減、4位のサークルKサンクスも既存店売上昨対4.1%減、連結営業利益は、15.2%減とマイナスになり明暗を分けた結果となっており、企業規模の差が収益格差につながってきているようです。

理由はそれだけでしょうか?

コンビニエンスストアといえば、毎日のように新店オープンのニュースが流れています。昔の大手スーパーがそうであったように、スクラップ&ビルドが成長の支えにつながっている部分があります。
「近くて便利」と謳いながらも、「犬も歩けば・・・」のように、こんなに多くのコンビニエンスストアが出店されていれば、都市部では飽和点に近づいていると想定されます。また地区によっては、人口密度に関係なく、お客様を囲い込むために、ドミナント戦略・・・隣接して同じ企業の店が出店されています。そんな状況が垣間見られる昨今です。
店に入ると、目につくのが画像のような惣菜、スイーツ、パン売場の品薄・欠品状況の寂しい売場?
お店は、お客様に商品を買ってもらって、満足してもらうという役割を考えれば、どうなのかな?って感じます。あるお店は、いつ行ってもこのような状態・・・ ?

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私が、小売業に勤務している時は、品薄・欠品はしてはいけないと教えられました。食品なので確かに、賞味期限の問題はあります。でも、このような状態では、きちんと品揃えされている店に、お客様は、足を運ぶのではないでしょうか?
コンビニエンスストアならエリア管理されているのに、エリア担当の方はどのようなフォローをされているのか?わからないです。今日は、このことをお話をしたいのではなく、こうすれば売れると想定する売場についてお話をしたい。


 

売上を生む売場って・・・?

最近、よくデータによる売場作り、仕掛け作りと言われます。またよく耳にする言葉で、POS(Point of Sales)データという言葉があります。POSは、販売時点という意味で、データは、お客様がレジを通して買った商品などのデータを情報管理するということになります。このデータを元にして、自動的に商品を仕入れするシステムが、たいがいの店で現在、導入されています。なので・・・レジで商品が売れれば。自動的に最終集計して、取引先に、この商品これだけ買いますという情報が流れるようになっています。(最終は、人が判断するようですが・・・)
ただこれはしっかり商品が入っている場合は、有効ですが、上の画像のように、品薄、欠品の売場では、お客様がある商品欲しいのに、欠品していて買わずに帰ることがあります。これが機会ロスです。コンビニエンスストアは、このような機会ロスが多いのではないでしょうか?


廃棄ロス&機会ロスを是正すれば、売上は上がる

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数ヶ月前までは、最上段の画像と同じような売場でしたが、最近、売れ筋が切れずに残っています。テレビのシルシルミシルサンデーなどで特集された「バタースコッチ」ですが、数ヶ月前は、商品が入って陳列品出ししている時点で品切れして、当社はテレビ効果でしょうがないと感じていましたが、毎朝、食べていたので、これだけ行っても品切れしていると、なぜ改善されないんだと企業姿勢の問題を感じました。逆に欠品しているなら他社の類似品を買うようになりました。
でも今月に入ってから、商品もたくさん仕入れられ欠品しない日々が続いています。これが、売上を確保することに対して必要なことです。
でも何でもたくさん仕入れをしていたら、機会ロスは低減しても、逆に廃棄ロスが発生します。仕入れも、毎日品出ししていれば、何が売れ筋か?わかるわけですからフェースを広げればいいことです。
コンビニエンスストアのように少人数でお店を管理するようなところでは、品出し回数を減らすために、フェースを拡大していれば、品出し回数も減らすことが出来、かつ欠品が発生する可能性も低くなります。
データに頼るとラクですが、人の意志を加味する事です。
そうすれば数字もコントロールできます。


 

ローソンブランシリーズの仕入増を店舗に助言

毎月、取っている「日経ビッグデータ」の7月号の記事を読んでいると、上記タイトルの記事が掲載されていました。

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ローソンが4月10日に開いた決算説明会で、玉塚元一社長が、ローソンの商品開発や店舗の品揃えの改善に、共通ポイントサービスの「Ponta」データの分析が欠かせないものになったとのことです。
データを分析するとブランシリーズのパンを購入しているお客様は、菓子パン、総菜パンを購入されているお客様に比べて来店頻度が高く、またブランシリーズパンのリピート率が高いという結果が出てきました。

  1. 糖質などを制限している人などこのパンでならないというお客様に利用していただいている。
  2. 健康志向の高いお客様が利用していただいている。

などの仮説が予想され、フランチャイズオーナーに仕入れを増やすように説明され、販売数量も伸び、現在では、売れ筋の「ブランパン2個入り」の他、購入率の高い女性やシニア層を意識した新商品を投入し、今では20種くらいに広がっているようです。
フランチャイズオーナーにしっかり指示を流し、商品をしっかり確保し、売り込んだ結果、ローソンの開発商品ですが、お客様に認知され、売上が確保できたのではないでしょうか?


 

  1. POSデータなどのデータは分析活用してこそデータなので、データによる売場管理はしない。
  2. 売り込み商品は、しっかり販売量を確保して売り込む。Cランク商品が切れれば、売り込み商品のフェースを拡大してもいいのでは?
  3. お客様にきちんとPOPなどで情報を流し、お客様が共感して購入するような仕掛け作りが必要。
  4. 壁面商品のボリュームが低下していると売場が寂しく見える。

など、コンビニエンスストアは、スクラップ&ビルドだけではなく、まだまだ個店力の商品管理力の向上で売上が伸びる要素が残っている。ただ変化できないコンビニエンスストアは、大型スーパーのように淘汰されていく時代だろう。

今日も長々と話にお付き合いいただきありがとうございました。