閑小鳥!! 商店街をデザインの力で復活させちゃえ!!

先週、商店街のにぎわい作りのような依頼を受け、当社のデザイナーとともに現場に行き、考えました。商店街の活性化の話しは、けっこう前のブログで記したことがあります。
商店街と言えば、昔は、多くの人が利用されて、活気に満ちていた姿を記憶しています。
不振になった理由は、大型店出店と共に、お客さまが流れてしまったこととよく言われますが、それだけなのでしょうか?

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私は、お客さまが減り、売上が減っていく中で、大型店に対抗して安売りをして価格戦争に走ってしまった結果、品揃えの商品の魅力がなくなり、そのお店のパーソナルな魅力がなくなり、現状のようなシャッターが閉まった商店街の風景が出来上がったんじゃないか? と思うのです。
価格を安くすれば、短期的な目的は、達成したでしょうが、長期的な魅力は、「価格戦争」 という名の戦争のもと吹き飛んでしまった。
現状の大型店のスーパーもそうだと思います。単品量販、価格を安くして、お客さまを集客して、その他のものを買ってもらって、利益を確保していくモデルが、崩壊したということでしょう。
お客さまも賢いもので、特売の周期や季節商品は、このくらいの時期になれば安くなるということは、学習しておられる。それに手を打てなかった大型店スーパーは、魅力がなくなった。ただ食品をメインで扱っている店舗は、日常必要なものだから、まだ生き残っているという現状だと思います。

● 魅力と活気がなければ、利用しないですよね。

デザイナーと共に、足を運んで感じたのは、商店街のお店に、活気がないし、商品もホコリをかぶったりして魅力がないんですよね。
私は常々言っているのですが、デザインって、単に絵を描き、モノを作って、それでOKの小学校や中学校の図工の延長ではないと思います。

先日、カンブリア宮殿で、高知県で頑張っておられるデザイナーの梅原真さんにスポットをあてた番組を放送されてました。梅原さんは、田舎のオリジナル商品のパッケージやキャッチコピー、さらにはプロデュースも手がけるデザイナーで、一見「なんにもない」田舎の埋もれた商品の魅力を、自分の目でしっかり捉え、引き出しヒットさせてしまうところはすごいなぁ? と思い、番組を見ていました。
当初は地元スーパーの広告や食品パッケージをデザインしていたが、自分の好まない商品のパッケージをつくることに疑問を抱かれたそうです。そんな時、梅原さんは、四万十川にかかる手すりも欄干もないシンプルな橋・・・「沈下橋」を見て、大雨が降ると川に沈み、収まると顔を出す。そんな四万十川の風景に馴染んだ沈下橋の姿から、商品や生産者の真の魅力を探り、等身大のデザインをし続けているということを、原点にしてデザインを制作されている。
そんな番組の中で、梅原さんが、力を入れていた山の再生。
この放送を見た時、

デザイナーって、単に絵を描くのがデザイナーじゃない。

もっと大きなことを意味するんだ!! って感じました。梅原さんがされた山の再生は、地元の 四万十の栗 でした。知名度こそないが、大粒で糖度が高い栗の味そのものの良さを活かすスイーツを商品化し、年間2500万円も売り上げるようになった。
ところが近年、栗山は荒れ、収穫量はかつての40分の1に減ってしましい、栗山そのものを再生させるプロジェクトを立ち上げ、栗の木を一本一本剪定し、10年以上かけてよみがえらせるという地道な計画でした。栗をきっかけに、山も地域の暮らしも再生させることにチャレンジしていかれる。いちデザイナーがここまでやるのはすごいなぁ? って感じました。
梅原さんは、「砂浜美術館」 の場面で言っておられましたが、地方に大切なのは・・・

「自分で考えろ」
「何もないと嘆くのではなく、アイデア次第でそれは魅力に変わる。」

その言葉を具現化したのが、高知・黒潮町の「砂浜美術館」・・・ これは映像を見てびっくりしました。何もない砂浜に1000枚以上のTシャツを並べて、6日間で3万人も集客するイベントに発展しているということです。

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ふと商店街の現調をしながら、この番組のことを思い出しました。
今もにぎわっている商店街も多くあると思いますが、シニア世代が多くなっているこの時代に、もう一度、デザインの力で商店街を甦らせるというのは魅力的だと思います。

私が勝手に思っていることですが・・・
デザインというのは、見向きもされなくなってしまった素材に光を当てて、新たな付加価値を生みだすことだ思います。 商品やサービスを差別化するというのは、究極的には、価格しかないわけで、そんなツールを作って、あーでもない、こーでもないと言っているのがデザインだという人は、それで満足しておけばいいでしょう。

もうそんな業務は、何年もしているわけですから、デザイン本来のもっと大きなものをデザインしていくのって、せこせこPOPを作っているのが悪いと言いませんが、デザイナーを目指すなら、もっと大きな視野で、今回の商店街の案件を足掛かりに、

全体を設計したり、大きな意味を考えたりすること

に思考を進めていけば、やりがいも出てくるようなイメージがあります。
お客さまは、少なからず流れている環境もありますので、そこが商店街のランドマークとなり、写真でも撮って、SNSから情報発信するようなスポットになればいいなぁ? って思います。
そこで魅力を発信して、商店街の各お店が魅力ある商品の品揃えができるかが、ポイントになるでしょうが・・・!!

商店街が活性化すれば、シニアの方の買物難民も減少するでしょうから、商店街の魅力を引き出し、デザインの力で、活性化したいですね。

今日も長々とお話しにお付き合いいただきありがとうございました。
絵コンテは、よく出来ていたので、あとは制作側がどれだけ頑張るか? 期待ですね。

パワスポ社長_感謝