秋の足音が売場に少し出てきました。何をお届けしたいんだろう? | 売場を作っちゃう仕掛人

お盆前のチラシで秋物ファッションが大きく訴求されるようになりました。

外は、夏真っ盛りーー!!気温が高い日が続いています。
でもつくつくぼうしが鳴き始めたり、こおろぎが鳴き始めたりして、少しづつ自然環境は変わろうとしています。
夏物処分の売場から切り離して、しっかり秋の売場の演出をすれば、お客さまも秋物だとわかる そんな時期に

「秋まで着られる秋カラーの夏服」

が、2・3年前にはステージで演出して、POPもしっかりつけられて展開されていました。他の服飾商品とコーディネート訴求もしっかりされていました。
ここ最近は秋カラー夏服の演出はあまり見なくなりました。
ポツンとステージを見れば、秋物? って思うくらいの演出です。 そんなことをブログにまとめてみました。

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秋物ファッションじゃないかな? せっかく売場に導入したのですから、お客さまにこの演出に対する思いを届けたいものです。POPもつけられず、演出しても、お客さまに思いは伝わらないものです。

夏物は、売り切りで最終処分追い出しの季節です。そんな時に、入れ替わるように次期商材の秋物が売場に並び始める時期になりました。

夏物って、追い出しのため最終見切り処分価格になっているので、商品によっては仕入れ値を割っていることがあります。
でもお店をやっていこうとしたら、利益を確保していかないといけないわけです。
夏物は気温とにらめっこしながらタイムサービスなどを利用して処分を進めるので、薄利ないし、赤かもしれません。
売上は昨年並みくらいなら確保出来ます。

よく錯覚することに・・・

「売上第一主義」

売上が取れたからいいや!! ってイメージ。
数値管理で、各売場、各カテゴリーには、毎日、昨年実績と予算があります。らおも経験しましたが、
売上が取れれば、利益もついてくると錯覚している上司がいたこと。
だから売上を確保しろということです。
そこには損金管理もないので、チラシの商材の中には、売れば売るほど、損をする商品もあります。
特にらおが新入生の時、一番初めに経験した家庭用品などは、集客商品の巣みたいなもので「洗濯用洗剤」「ティッシュペーパー」「トイレットペーパー」などの集客損金商品を思いっきり売って、売上を作れとよく言われました。

当然売れば売るほど、損なわけですから、数値管理には、新入生ながらピリピリしました。日用消耗品の売場って、集客商品が多いので、売場の役割的には、ロスリーダーと言って、まずお客さまをフロアーに呼ぶ役割で、他の家庭用品、インテリア用品などが売れて、利益ミックスで、そのフロア利益を確保する役割でした。

余談ですが・・・
スーパーの売場ってそういう風にして成り立っているので、お客さまの買物のしやすさを追求して、現在は、日用消耗品を食品フロアに下した展開になっています。その途端、家庭用品、寝具インテリア売場は、そんなに毎日買う商品ではないので、お客さまも1階で買うことが出来るようになったので、売場に上がってくる必要がなくなっただから閑古鳥が鳴いて、売上も立たなくなった。 当然の結果だと思うのです。

けっきょく売場の数値で重視されるのは、売上より利益 

売り上げの絶対額は必要ですが、売場を運営していく以上

「利益を重視しまーす!!」

そこからいろいろな経費の支払いやスタッフへの対価の支払いも対応するわけです。

話しは戻りますが、特に秋物商材って・・・

導入したばかりですから、適正な価格で売れる商品なのです。
コーディネートをきちんと告知すれば、まとめ買いも期待できるわけです。

お客さまに、売場を作った思いを伝えないと届かない。

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柱を背にしているので、柱に秋物タペストリーをつけて、もみじのオブジェをつけたりする。商品だけよりお客さまも紅葉の季節にこんなファッションはどうかな? ってイメージする。そんなPOPが必要なのでは?
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初秋モノ入荷と言うB6サイズのPOPがついていました。たとえばこのファッションが、今年の秋物のトレンドにタータンチェックがあるからおすすめなのか? この服の生地が優れているのか? そんな思いを伝えたいものです。

お客さまに伝わる演出をしっかりすれば、お客さまも立ち止まるし、売場の回遊時間が長くなります。長くなると売上につながるかもしれません。

スーパーなどに買物に来られるお客さまの世代は、早く買物をして売場から帰ることに慣れてきた世代。そんなお客さまにゆっくり売場を見て、買物してほしい時代になっているわけですから・・・

今までの経験と同じように、秋物ステージ作ったからOK!!

ではないのです。

「お客さまに伝えたいことを伝わるように演出する」

新聞折り込みチラシではきちんと秋物のポイントを訴求した表現になっているのですが、売場に行くと「あれ」って感じ!!

チラシとギャップを感じるのです。

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ウエストイージーでラクしてきれい」「秋はハイネック」「トレンドカラーを存分に楽しめる」などチラシでは秋物ポイントが告知されているのですが、売場では? すべてのお客さまがチラシを見て、来店されているわけでないのですから・・・
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「アースカラーをまとって、秋スタイルにCHANGE」というコピーをつけて、このお店では売場もきちんと演出して作られていました。
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秋になるとジーンズが売れ始めます。ジーンズの種類「スタンダードストレート」「ボーイシュテーバード」「レギュラーストレート」「ワイドストレート」を上げて、それぞれのポイントを簡単に紹介して告知していました。チラシはすごくわかりやすかったのですが、やはり売場でも、この種類でコーナーをまとめるとわかりやすいものです。

チラシは、夏物処分は告知されていますが、夏物処分より秋物の方が大きく告知表現されています。

総合スーパーなどでは、商品の大半は、本部からの送り付けだと思います。本部のバイヤーの価値、売場の担当者の価値は違います。らおもよく

「こんなダサい商品送ってきやがって・・・」

と思った方です。こんなダサい商品売れないよー
でもチェーンストアで、ある程度の量を仕入れることによりコストメリットを出しているわけです。

まずダサいと思っても、その商品を売り切る努力をすれば、利益は確保できるわけです。そのために演出には、きちんとPOPで言葉を添えて売っていきたいものです。

お客さまに楽しさが伝わる売場作りに努めていきたいものですね。そんな売場を作って、お客さまに笑顔で接すれば、ファッション業界の不振も改善されると思います。