先日のメッセージで質問をいただいたブログの続きです。
先日はお店をオープンしてお客さまに新しくオープンしたお店を認知していただくために「安売り」という価格を前面に押し出して、オープンしたいというお話しにお答えする形でお話しをさせていただきました。
少し長くなってしまったので 「ターゲット」 について、次回、お話しさせていただきますというお話しの続きです。そんなことをまとめてみようと思います。
私の話しですが、総合スーパーの新店オープンを二度ほど経験しました。仮にA店、B店としましょう。
A店は、駅前店で駐車場もなく、食品の取り扱いもない多層階のお店でした。
駅前店と言うメリットを生かして、当時のスーパーでは珍しく百貨店で扱っているブランド商品も扱ったりしてアップグレードを意識した演出、品揃えでした。ファッションを前面に押し出した店で、ストアコンセプトは 「30代とその子供たち」 だったかな?
このお店は、オープンして3日間は、祭日もはさんでいたのですごい売上でした。でも3日間が打ち上げ花火であったように、それ以降は、180度変わったように、お客さまが来られない状態が続きました。
ターゲットは意識して売場作りをしていたのですが、家庭用品などは、5階だったのですが、まるっきりお客さまは来られない。売場の責任者の方は、胃薬を携帯する始末でした。
こんな大きな会社でもリサーチをどのようにされたのか?
わかりませんが、店周辺の商圏のお客さまとはまったくマッチしない品揃えだったので、オープンで来られたお客さまは、話題と安売り商品を狙ってきたお客さまだったのです。
商圏と設定したお客さまから指示されなければ、こんなことになるのです。それがターゲットなのです。
このお店は、電車の乗降客が、途中下車して利用してくれるという想定も少しあったのかもしれません。でもわざわざ途中下車して買うお店でもない。
それから集客目的で、本部協力で、安売りが始まったのです。
お客さまは賢いもので、安売り商品だけを買って帰るのです。
そうなたっらマイナス値入の商品ですから、他の商品を買わずに、特売商品だけを買って帰られると当然、利益も取れなくなります。
ただ駅前店のメリットと言えば、当時バレンタイン商品などは、良く売れていたので、こんな商品はよく売れたし、催事コーナーが5階でしたのでお店としてシャワー効果も出せました。
このお店の例は、オープンする前のリサーチ結果からターゲットをしっかり設定しなかったので苦労した例です。
逆にB店は、同じ駅前店でしたが、小スペースながら駐車場もあり、食品売場もありました。
ただ店長の意向で 「特売オンリー」 のチラシを打たないという方針でした。
「静かにオープンしよう!!」
ということでした。お店がオープンしてもこれが新店オープンのお店なのと思う程、静かにオープンしました。ただ地域性もあり、アップスケールな商品が売れます。
そんな商品は利益もしっかり確保され、お客さまの買物の姿もがさがさしたものではありませんでした。この店は、オープンこそ静かにという店長の方針でオープンしたのですが、3年後には100億を超える店舗になりました。
逆に、本部の通常のチラシを採用して、これは売れるだろうと思って、準備をしていても、そのようなお客さまが少ないので、逆に残るような状態でした。
こんなA店とB店を比べてみると・・・
● 自分のお店の商圏となるお客さまの把握。
● すべての方に対応したお店作りは難しいのでターゲットを絞り込む
● ターゲットにあわせた品揃え
をすれば、B店のように、普段の管理をしっかりするだけで、結果オーライとなるわけです。
安売りの話しも認知してもらうという目的もわかります。
でも今日、明日で終わるお店でもないわけですから、長期的な目と短期的な目を使い分けたいものです。